リトルプレス「恩知らずの闇子さん」の反省会

印刷してから一年以上経ったので、
各話それぞれとパイロット版のあとがきをしていこうと思います。
ネタバレ注意です。

パイロット版「恩知らずの闇子さん」その1
最初はホラーだったんですよ。
ホラー活劇? みたいな。
最後のシーンはアドバイスをもらって初稿とかえています。

パイロット版「恩知らずの闇子さん」その2
これは某サークルに出したものです。
主宰から許可をもらって転載しています。
テーマは「家」でした。
パイロット版、本編共に登場する愛田がいます。
一番キャラが変わっていないのは愛田かもしれません。


そもそもこの主人公たち二人は、中学時代からいます。
中二の頃、千里浜をバスで走っているときに、
ふと二人が見えたのです。
最初は「トイレの鏡にもう一人のわたしがいる!」ってネタでした。
当時、東映版遊戯王を見返してて、自分でもこういうの書きたいなあと、うっすら考えていました。
あと、クロックタワーGHとかセレステとかの影響もあります。
あげた三つの作品は、「優しい自分」と「乱暴な自分」とか、色々、共通点あるでしょ?
「もう一人のわたしとは?」という不思議な問いを色々考えていました。

本編を書くに当たって、
パイロット版でやっていることはドール=ガールなのもあって、
やっぱり都子たちにやらせることを変更したいなということで、様々なアドバイスをもらい、
上記の設定をリセットした上で、書き始めました。
と言っても、書いている途中でも色々設定をいじくりまわしてます。

一応、作中の時系列順を説明しておきます。
2章→3章→4章→5章→6章→8章前半→1章→7章→8章後半→9章以降です。

この世界観には闇子みたいな存在が複数存在してます。

ストーリーについて

第1章
バカな男の話です。
都子のキレイな容姿を気持ち悪いぐらい表現してもらいました。
闇子との関係はどういうものかというイントロダクションです、はい。

第2章
出会いをゆっくり丁寧に書いた記憶があります。
伏線を意識したので、作中後半に活躍してくれる方を入れました。
初稿では闇子が放送室をジャックして、ゲームをするシーンがありました。
が、あまりに悪ふざけしている気がして、
(有野課長のパロディを思い切りやった)
この形に。

第3章
第4章と共に初稿にはなかった話です。
プロットを見返したとき、
「何故二人が仲良くなったのか」がすっぽり抜け落ちていることに気がつき、
慌てて、プロットを組み直しました。
(そのとき、また別の話のネタもあったのですが、没にしました。どこかに流用したいなあ)

第4章
闇子は都子に対しては優しすぎるんです。
見捨てられるのが怖いというか。
そのあとの大暴れは書いてて、無茶苦茶楽しかったです。

第5章
無料の小冊子に載せた話の改稿です。
協力すれば、ふたりは最強なのです。

第6章
これ、一番最後に書いたエピソードです。
二人が楽しんでいる話が読みたいというリクエストがあって……。

第7章
温泉と大暴れが書きたかったのです。
都子が闇子のことを上品だという描写がありますが、
都子も十分に上品な女の子です。
無自覚なだけ。

第8章
アイドルグループの設定はずいぶんと前からあって、
彼らの中に、都子たちのライバルとなりうる姉弟の身内がいます。

第9章
自分の目的のためなら、子供を差し出す親はクズです。
サブタイトルの「Yamiko is Prayer!」は誤字ではありません。
ストーリーを読めば分かると思いますが、平和への祈りは誰よりも強い子なのです。

第10章
サブタイトルの「Tell Me Sister!」は中島みゆきの曲から。
アルバムのみの曲ですが、泣けるので、是非聞いてもらえるとうれしいです。
元ネタを当てられたときは、ゾクッとしましたね。
知っている人がいるんだ……って。
大人って残酷な生き物なのです。
自分の立場が危うくなったら、例え、子供だとしても、蹴落とす生き物なのです。

第11章
元々「鏡の国のアリス」リスペクトでした。
ただ「不思議の国のアリス」よりはマイナーということで、リライトしました。
白黒なのは元ネタのチェスから。まあ、アリスでは赤なのだけど。
なので、二人は元々「クイーン」と呼ばれていました。
確かチェスにおけるクイーンは最強だったような。

第12章、第13章
ちぎっては投げ、ちぎっては投げの都子。
人の最大の原動力は「怒り」だと思っています。
都子が覚醒したのも、ルーアへの怒りからです。
「さよなら」と来たら「帰ってきた」は定番です。

第14章
最強になったふたりは最強なのです。(トートロジー)
処刑用BGMが流れる感じのイメージ。
そして、不条理でワガママな怒りと正当性のある怒りは、絶対に違うはずです。
自分の思い通りにならないだけで「恩知らず」というのは、子供にとって残酷な発言です。

第15章
転校した彼女らは、彼女なりの人生を歩んでいくのです。
ギャルのエピソードは、実体験を元にしていて、彼女たちに救われたいと思って書きました。
創作において、トラウマ級にいじめてきた人間が、
再び現れ、本気で病んでいた時期に書いていました。
陰湿な女は思い通りにならないと、どこまでも陰湿にいじめてきます。
言葉で責め、暴力で言うことを聞かせようとする人間は、ハッキリ言って、クズです。
(これが人の親かよ、と思うほどに)
性格が陰キャであればあるほど、クズ度が高いと思います。

キャラのについて

篠座都子
作中で一番「ズレている子」です。
なので、語り手としては「信頼できない語り手」の部類にはいります。
INTJキャラで、一番頑固な子です。
一見するとお淑やかで、三歩後ろに歩くキャラに見えますが、
自分から謝ることを作中ではしてません。
そして、納得できるまで問いただします。
俗世にまみれた努力家で、周りを認めさせるために努力している感じも否めません。
「自分」を奪われていた子ですが、取り戻した今、シリーズ全キャラ中最強になります。
誰も都子を敵に回しちゃいけないです。

闇子の正体について、ネタバレなので反転。

飯降教子
都子の妹という設定は最初からありました。
乱暴さも相まって、都子と真逆に見えますが、実際の信念は二人とも同じです。
ENTJキャラで、小学生の時は目立ちたがり屋・仕切りたがり屋でした。
そして、ストイックです。
倫理観は都子よりもあり、自分で善悪をはっきり考えることができます。
逆に言えば、思い込みが激しい子だったりします。
ただ、作中で彼女は自分<都子の時期があって、
都子に見捨てられたくない願望がありました。

二人が健全なメンタルを取り戻す物語かもしれません。
「力の都子、技の教子」と覚えてください。

「篠座」は大野市にある篠座神社から。飯降は「飯降山」からです。
春分・秋分の頃になると、篠座神社と飯降山と夕焼けが一直線になるとか。

少し脱線。
大野には「飯降山」(いぶりやま)という三人の尼さんが登場する昔話があり、
アニメ「日本昔ばなし」のエピソードにもなってます。
伊集院光さんが「怖い」と言ったとか。
若干、カニバリズムみがあるからでしょう。
この飯降山の麓には「丁」と書き、「ようろ」と読ませる地域があります。
(上丁、下丁って分けられているけど)
生き残った尼さんが「丁」の形を杖に見立て「よろよろと杖を突いて歩いたから」と
亡くなった祖母が話していました。
どこまで本当かは知らないけど。

希望のガーディアン
元々、「鏡の国のアリス」をイメージした話だったので、彼はウサギのヘイヤでした。
あの「不思議の国のアリス」で有名な時計のウサギです。
しかし、「鏡の国のアリス」を知らない人には「?」だろうということで、
執事キャラになりました。
裏設定として、彼は都子たちの先代というものがあります。
彼もまた彼の弟妹と共に「闇の力を以て天誅」を下していたのでしょう。

愛田相
名前はドキドキ!プリキュアの相田マナ(相田愛)から。
理由は覚えてないです。
プロットタイプからのキャラ設定の変更は実家ぐらいです。
都子に片思いしているところとか、ウザいところとかは、全くの変更なし。
幼なじみなのに、苗字で呼んでいるのは、
思春期にありがちな照れです。
突然「篠座」と呼ばれるようになったので、都子も「愛田」と呼ぶようになりました。
都子が転校しても、高校時代でも片思いを継続中。
片思いは、ある意味呪いです。

中嵜鈴
名前の由来すら覚えてないですが……。
キルラキルのマコみたいな誰からも好かれ、そして、最後に勝ち組になるという、
都子とは別のベクトルで、最強の女の子が書きたかったのです。
アホの子ですが、作中で一番成績がいいです。
さすがは外部進学者。

篠座楽
別作品の主人公です。
異端者~彼女の行方
結婚して「来花」姓になったのですが、書いている途中で、
離婚し、篠座に戻した設定をぶち込んだため、
名前のミスがあります。
20代後半で医学部に入り、医者になりました。
作中の通り、どんなに理不尽で可哀想な目に遭っても、
それにくじけず、努力を続けています。
縄が武器のヒロインが書きたくて……。
断じて、SMじゃないからな!!!

飯降みゆき
私の家系って、独身を貫いている女性が多くて、
(大叔母、叔母、従姉妹叔母)
身近なんですよね。
私自身も多分独身を貫くでしょう。
なので、私のなりたい女性像を書きました。
母性とは違う、優しいけど、芯のある女性です。
一国一城の主になった強い女性です。

篠座諒
カレーオタク。
彼について、今は多くは語れません。
慕っている姉と血が繋がっていないことを知らない可哀想な少年です。
しかし、彼らの父親にとって、都子と諒、どちらとも自分の子供でした。
名前を見れば、ほら。姉弟ってわかるでしょ?
二人とも「みやこ」なんです。

篠座夫人
色んな意味で可哀想な人です。
ブラック・メイデンの母親ととても似ていると思います。

ざっとこんな感じかな。

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