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冷血の鏡子さん
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読み切り小説(短編ランダム表示)

  • 満月ラプソディ

    1 秋口なので、流石に夕方は寒気を強く感じる。 おれは飲み干した缶コーヒーを誰もいないゴミ箱に捨てた。金属の鈍い音が響く。 カラスがうるさい。落ち込みたいのに、このカラスの鳴き声のせいで落ち込もうにも落ち込めない。「ああ。おれはここまで頑張…

  • 願ったり奏でたり

     誰もいない夜の公園のベンチで、私はさめざめと泣いていた。「どうして! どうして! あんな女にあなたはなびくの?」 私は何かの糸が切れたように、声を大きく上げて泣きはじめてしまった。近所迷惑かもしれないけど、今はそれどころではない。あふれ出…

  • 「夢のレストラン」

     私は古ぼけて暗い印象の「夢のレストラン」という看板がかかっているシケたレストランのドアを開けた。「いらっしゃいませ」 店内は薄暗い照明の真ん中に椅子が三つだけ並んでいるカウンター席しかなかった。奥にはコック帽にコックコートを着たこざっぱり…

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